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Archive for the '森のようちえん' Category

森のようちえんの様々なスタイル

Posted on 8/23/2010 at 10:01:32 AM

野村直子

今年度から、フリーランスで自然学校や保育園、青少年施設などで“森のようちえん”に関わるようになり、その中で様々なスタイルや取り組みによって、違った子ども達の様子を見る事が出来ました。

“森のようちえん”スタイルの保育園、めーぷる保育園(横浜市)
この園は、毎日のように園の近くにある緑道や公園でたっぷり遊びます。季節ごとの自然を子ども達は肌で感じ取って遊びます。
桑の実がなれば、木によじ登り、ゆらして、どうにかして実を採って食べ、ザリガニがいればザリガニ釣りに夢中になり、トンボが増えれば、トンボを追いかける…子ども達の興味はつきません。
子ども達は自然の中で、その子なりの小さなチャレンジをします。一人で登れないくらい急な土手を友だちに助けてもらいながら登ったり、初めは触ることもできなかったザリガニを掴んでみたり。一度出来るようになると、今度は自分が助ける立場になり、次のチャレンジへと移っていきます。
毎日行けるフィールドで、毎日すこしずつ小さなチャレンジをして、少しずついろんな事が出来るようになっていく…そんな姿が見られるのは、保育園としての“森のようちえん”の良さですね。

幼稚園が終わった後、2時間だけの“森のようちえん”、黒川青少年野外活動センター森のようちえん事業“のあそびくらぶ”(川崎市)
隔週水曜日14時~16時の2時間だけのこの活動。子ども達は、近隣の幼稚園・保育園に通い、“のあそびくらぶ”の日は幼稚園が終わると急いでセンターに集まって来ます。
センター内には小さな里山があり、その豊かなフィールドで、子ども達がしたい事を自分たちで考えながら遊びます。2時間しかないという制限は「いっぱいあそばなくちゃ!」という意識を生むのかもしれません。やりたい事全部やるぞといったような気迫さえ感じる事もあります。
常連の子ども達は、「今日はひみつ基地つくる!」などと遊びを決めて来る子もいます。初めて参加する子は、友だちの遊びを眺めたり、一緒に遊んでみたりするうちに、自分の好きな遊びを見つけます。回を重ねるうちに子ども達の遊びは、発展していき、前回の続きをして遊ぶ子、さらに違う遊びを探す子など、子ども達の創造力は広がります。
習い事のような形でのこの“森のようちえん”では、「ここだからできる、やってもいい」というダイナミックな活動が思いきりできる場となっています。

夏休みの幼児向け自然体験プログラム“川のようちえん”、おにし青少年野外活動センター(群馬県、藤岡市)
「森じゃなくてもいいのではないか?」ということで、群馬県の三波川というきれいな沢で、“川のようちえん”を行いました。この活動は、本格的な川のプログラムで、スタッフは川の活動の専門家。国内外での経験を元に、専門的な知識を持って、行っています。
子ども達は、普段あまり着る機会のないウェットスーツとライフジャケットを身につけて、大きな岩や滑りやすい石の多い川を歩いて行きます。時には、流されそうな流れの中を踏ん張って歩き、足がつかないところを泳いでいかなければならないような所も通り、子ども達にとっては、大きなチャレンジでした。
「茶色い石は滑るからね」という話をしっかりと理解し、自分で滑らないところを探しながら、転ばないように自分の力で歩き、初めは川に浮かんで流される事も恐る恐るだったのが、だんだん楽しめるようになり、滑り台のような岩の隙間を流れるチャレンジができるようになった子ども達は、1日が終わった後の顔つきが変わる程でした。
「4歳では難しいのではないか?」「この子には無理なのではないか?」と言うのは大人の解釈で、どんな子どもにもチャレンジをする場を与え、それを見守って、待ってあげることで、子ども達の可能性は広がる事を目の当たりにしたのがこの活動でした。
このようなインパクトのある体験活動で、子ども達の自信を引き出し、何でも自分でやっていけるという事を体験し、普段と違う子ども達の姿を引き出す場となります。それと同時に、大人の心配や優しさからの手助けが、そういった子ども達のチャレンジの妨げになる事も感じました。

日本には、こうした様々なスタイルの“森のようちえん”があり、それぞれの良さや志向の違いがあります。また、それに関わる大人の経験知や立ち位置でも違いが生まれます。
大人がどんな事を子ども達にチャレンジさせるのか、どうサポートするのか、リーダーになって遊びを広げて行くのか、ひたすら見守り・待つのか、その関わりの違いで活動が変わってきます。
どんなスタイルにも言える事は、自然の中での体験は、子ども達に様々な感覚、運動、刺激を与えます。それが、子ども達にどんな良い影響を与えるかは、“森のようちえん”に関わるみなさんは良くご存じだと思います。
 どんなスタイルであれ、たくさんの子ども達にたくさんの良い体験してもらいたいと心より願っています。

※写真は、各団体より借りたものです。くれぐれもコピー、転写しないようにお願いいたします。

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森のようちえん ねっこぼっこ

Posted on 7/15/2010 at 6:18:39 PM

森のようちえん ねっこぼっこ  織田 敦子

我が子のために自然の中で過ごしたいと願い始めて10年。
本腰を入れて自主保育を始めて7年目になります。
ねっこぼっこの卒園児はようやく15名になりました。
送り出すひとりひとりの子どもたち、ここで過ごす1年1年の重みがあります。

『ねっこぼっこ』は、園児集めも運営もまだまだ課題だらけ・・・・

『森のようちえん ねっこぼっこ』の始まりは、かつて普通の幼稚園・保育園で働いたことがあり30代で母になった私が、「子どもをどんな環境で育てたいか?」と真剣に考えていた時、ふと思い起こされたのが幼い頃山で過ごした心地よい記憶でした。

我が母が育ててくれたように、私も我が子を「自然の中で育てたい」と思い息子のために自然の中で活動する育児サークルを立ち上げ、自然の中で仲間と共に育ち行く息子たちの姿を目にして、「このままここで育てたい」と願い森のようちえんを立ち上げました。
特別何の知識がなくても、母だからできたんだと思います。

ここを巣立っていった我が子たちは今年小学校5年生と2年生になりました。
小学校入学に関して個々の問題はありましたが、森のようちえんで育ったことが問題になることは少なかったように思います。
むしろ巣立っていった我が子たちは、「だって 森のようちえんだもん!」と何の根拠もない彼らの自信になっています。
送り出した子どもたちの輝く眼を見ていると、私も心の底から大丈夫だと思えるから不思議です。
子どもたちは仲間の人数が少ないからでしょうか、子ども同士だけでなく子どもといろんな大人の関係も深くなり、卒園後もみんな家族のような絆でつながっています。
卒園後の子どものたちの関わり成長が見えることも嬉しいことです。

森のようちえん活動は毎日かわいい子どもたちと楽しく過ごせることが至福のひと時。
しかし良いことばかりではなく、日々の保育と運営を管理することは、自分が日々暮らしていく中で家族のために心をこめて行いたい家事と子育てもあり、全てをこなし乗り越えていくことはかなりハードです。楽しくて大好きだから続けられるこの仕事であります。

続けていく中で、大変だったのは出産・流産。
育児サークルを立ち上げ後に妊娠と出産、森のようちえん2年目に流産と疾患と治療。
4年目に念願の出産を経験しましたが、体力・気力・思考力的に辛く、あまり丈夫ではない私の体にはかなり堪えました。
それでも細々と『ねっこぼっこ』が続いてきたのは、ねっこぼっこを支え、影日向になってくれた仲間たちみんなのおかげだと思っています。
今でも言葉では表せないほどの感謝の気持ちで一杯です。

また子育て真只中のお母さんたちの活動であるので、「持ちつ持たれつ」「お互い様」の関係・絆をつくっていくことが重要ですが、それを築くことは簡単なことではありません。
個々に本来力はあっても、忙しい子育て中なので今だけできないことが多々あります。
どうしても平等な力の配分にはなれないし、お願いすることに引け目を感じてしまうこと、引き受ける仕事の量の差があること、みんな違う価値観を持っていることに違和感を抱いてしまうこともあります。
その上子どもが風邪でもひいたら、母親自身もいつもいつでも体も心も元気ではいられなくなります。
私たちは、大事な我が子のために、いろんなお母さんたちと共に力をあわせて、助け支えあい、待ったり、待ってもらったりする関係を大切にしたいと思っています。
全国森のようちえんフォーラム(長野・愛知)の當眞千賀子先生の「コニュミティの力」の分科会で教えてくださった「大人は、枠が決まっていないことへ臨機応変に対応する事は難しく、森のようちえん活動は大人にとって成長できる絶好の場」という言葉を痛感しています。
そして、自主保育の醍醐味はここにあると私は感じています。

心豊かに過ごせるのも、「森のようちえん」のおかげ。
『ねっこぼっこ』に心を寄せてくださるみなさんに感謝して・・・・
これからもずっと「森のようちえん」と共にあり続けたいと夢みています。

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ノッツ森のようちえん「のあそびえん」

Posted on 6/24/2010 at 3:18:44 PM

NPO法人国際自然大学校 東京校 小比類巻友紀子

2002年以来9年間、NPO法人国際自然大学校(通称ノッツ)に所属しています。たまたま初年度に配属されたのが、幼児を対象とした年間プログラム(「子ども体験教室キッズコース」という)。初めて担当した子ども達はすでに中学生となりました。その中には当校の年間プログラム(高学年向けプログラム「子ども体験教室パイオニアコース」)に、今だ参加してくれている子もいます。その成長が嬉しくて、いつか一緒にキャンプのスタッフとして活動できることを夢見て、この職についていると言っても過言ではありません。
この「たまたま」があったから出会った「森のようちえん」という考え方、その存在の偉大さ、関わる人々との巡り合わせ。感謝しています。

さて、このたびはこの機会を活かし、当校の幼児向けプログラムをご紹介させていただきます。
当校では、2006年以来「ノッツ森のようちえん「のあそびえん」」という形で、幼児向けプログラムを展開しています。もちろんそれ以前から幼児を対象としたプログラムは実施していました。2006年以降は、それまで以上に幼児に対する自然体験活動の重要性、大切さ、効果を打ち出し、多くのプログラムを企画実施しています。また、子どものみならず保護者の方も一緒に活動できるものを実践してきています。

(1)子ども体験教室キッズコース
当校の主催プログラムの柱である「子ども体験教室」。年間を通して同じ班のお友だちと同じスタッフと共に、毎回違うテーマで全8~10回の活動をしています。主たる活動場所は都市公園や都心を流れる河川や河川敷、都内近郊の海やキャンプ場です。対象年齢によって異なるコースが4つ。そのうち年中、年長のお子さんを対象としているのがキッズコースです。3つのくらぶがあり、それぞれに子ども達が属しています。2010年度は134名の子ども達が所属し、これまでにない賑やかさ、且つ、大規模運営をしています。
5月はあどけなさ満載、まるでリュックが歩いているかのような様子の子ども達が、2月のウォーキングプログラムの時にはすっかり逞しくなり、お互いに励ましあって歩ける関係が築き上げられています。

(2)のあそびくらぶ
毎週水曜日の午後2時間だけ開催している4歳から6歳の子ども達を対象としたプログラムです。活動場所は都心郊外の住宅街。特にテーマはなく、集った子ども達がやりたい遊びを自ら展開し、遊びの幅を広げ、子ども達の遊びの発想を引き出していくことをねらいとしています。自由度が高い分、子ども達の動きも活発で、怪我や喧嘩も起きやすい状況です。「自由に伴う責任」というものも、遊びを通して伝えていきたい思いの一つ。子ども達の発想力を伸ばしつつ、社会性も身につけていってほしい、そんな願いを持ちながら、子ども達との関わりを考えている昨今です。

(3)週末キャンプ・シーズンキャンプ(幼児向け)
田植えや稲刈り、果物狩りなどの収穫体験を中心とした週末キャンプ(日帰りから1泊2日)、春夏冬の長期休みを利用した、各シーズン特有の自然状況を生かしたシーズンキャンプ(日帰りから2泊3日)があります。夏は川遊び、アウトドアクッキング、テントでお泊まりや虫取り、森遊びなどを展開。冬春は雪遊びやスキーなどを実施しています。遊び疲れて夜はごはんを食べながらウトウト。寂しくなって泣いてしまう子も時にはいますが、それでもそれらの体験が子ども達にとって有意義なものになると信じ、なってくれるよう関わりながらやっています。

当校の性質上、毎日子ども達と関わっているわけではありません。しかし、常に毎日これまで出会った子ども達を思い、これから出会う子ども達を想像しながらキャンプを考えています。
本当はもっともっとお伝えしたいことがあるのですが、如何せん文字数がオーバーしてしまいました。次の機会に、関わってきた子ども達がどんな風に成長していっているのか、お伝えできることを願ってファイルを閉じることにします。

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森のようちえん全国交流フォーラム裏話

Posted on 5/19/2010 at 10:25:03 AM

森のたんけんたい  小林直美
愛知で自主保育「森のたんけんたい」を立ち上げて14年目のKobaです。わたしが「森のようちえん」つながりの人に自慢げに話すことが2つある。

ひとつは、センス・オブ・ワンダーの著者 レイチェル・カーソンが生涯を閉じたちょうどその日にわたしが生まれたこと。初めてそれを知ったときは、(わたしって・・・。もしかしてレイチェルの生まれ変わり!?)なんて1人で妄想を膨らませて、喜んでしまったもんね。
もうひとつは森のようちえん全国交流フォーラムに1回目から欠かさず参加していること。

1回目のフォーラムは宮城県くりこま高原。「森の幼稚園」著者、今泉みね子さんといっしょに温泉につかって裸のつきあい(?)をさせていただき、同じ大根鍋をつつき、報告書では今泉さんに「参加者の中でもとくに印象深かったのは」と書いてもらい、(これ、わたしのことだ!)とひとりにんまり。

2回目は北海道の登別。地元の手料理はおいしいし(カレーの中にセロリが入っているのに驚いた!)、露天風呂めぐりもした。エクスカーションで訪れたブナの森では、ミズナラの巨木の前に立った人間が小人のように見えた!ねおすの高木さんの奥さんの手料理がこれまたおいしくて、北海道が大好きになった。

ここまで読まれた方は、森のようちえん全国交流フォーラムって毎回、おいしいものを食べて温泉につかって、森の中をさんぽして遊んでばかりと思われるかもしれないが、ほんとによく食べ、よく遊び、少人数でのんびりすごしたフォーラムだった。

3回目の東京。ここでは遊ぶ暇はなかったが、みっちり森のようちえんについて学び、少しお手伝いもして、ネットワークの先輩方と親しくさせていただいた。「再来年は愛知でどう?」と声をかけてもらい、大きな決断をした年でもあった。

4回目は長野の飯綱高原。長野で森のようちえん活動を行っている人たちが実行委員となって、焚き火カフェ、バザーも盛大に行われ、おまつりのようなにぎやかさと長野の森のようちえん関係者のパワーを感じたフォーラムだった。幻想的な秋の飯綱高原の景色にはうっとりした。

5回目はわたしの住む愛知で。2年前「愛知でやります」と言ってしまったため、実行委員長としてがんばった。フォーラムの準備のために開いた会議はなんと16回!実行委員は自主保育をしている子連れの主婦が多く、彼女達は家庭をかえりみず、いえいえ、旦那や子どもたちの多大なる協力を得て、本当にたくさんの方々の力をかりて開くことができたフォーラムだった。
懇親会の熱気はすごいものだった。あっちでもこっちでも頬を紅潮させてみんなが熱く語っていたのはお酒のせいだけではないらしい。名古屋名物手羽先、天むす、小倉トースト、参加者が差し入れてくれた全国のご当地土産も彩を添えていた。

閉会式ではキープの川嶋さんやトエックの伊勢さんにもギターやウクレレの伴奏をなかば強引にお願いして、みんなでいっしょに歌を歌った。「手と手と手と手と・・・♪ 仲間がいっぱい♪」「またね またね さようなら あくしゅでばいばいばい♪」会場全体があたたかい空気につつまれ、参加者の気持ちがひとつになったのを感じてとても幸せな気分になった。あのときのメロディーとみんなの笑顔が今も心に焼き付いている。

余談だが、愛知のフォーラムのときは裏方に徹しようと思い、分科会に参加しなかったので、フォーラム後、(わたしも講師の話が聞きたかったなぁ)というもやもや感が少したまっていた。フォーラムの助成金の仕事がひと段落してから、その思いが一気に解禁!四国のトエックフリースクール見学、カウンセリングワークショップ、長野での森のようちえん指導者養成講座への参加。鎌倉のなかよし会見学。ワンテンポ遅れて、自分のための森のようちえんフォーラムがささやかに開かれたのだった。

毎回、森のようちえんフォーラムですてきな出会いや発見があり、なにかひとつ大事な宝物をみつけてほっこりした気持ちで地元に帰る。今年もまたそれを楽しみに山梨でのフォーラムを指折り数えて待っているKobaなのでした。

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森のようちえんの 森に暮らして

Posted on 4/28/2010 at 3:27:34 PM

キープ森のようちえん♪ 小西貴士
森のボロ小屋に暮らして 10年以上になります
この春の雨もりで 朽ちていた押し入れの天井が
ついに 落ちてきました

10年を過ぎる頃から
森が この身体に 馴染んできた気がします

森 というところは ―

いのち ひとつ ひとつの 尊厳が
保障されているところです

食うものも ―
食われるものも ―

謳歌する様にも ―
朽ちゆく様にも ―

あなたこそが 尊いと
等しく 抱きしめられる ところです

だから あんなにも雑多なものたちが 支えあえる

こうならなければならない というのではなく
こんなふうになってゆくのです

森 というところ

森のようちえん という態度

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卒園生を送り出して 二回目の卒園生

Posted on 3/24/2010 at 4:09:56 PM

特定非営利活動法人 緑とくらしの学校 小菅 江美

先日、二人の卒園生を送り出しました。二回目の卒園式、二期生となります。二人は、冬の間自分でちくちくと手縫いしたコサージュを胸に森の仲間に見守られながら、自分で紙をすいて作った卒園証書を手にしました。
新潟の春は、ちょっと遅く、森はまだ雪に覆われています。雪のステージと座席をつくり、雪の中での卒園式を準備していましたが、この日は雨。お家での式となりました。

一人は、一歳の時から子育て広場に来てくれていたことを考えると五年もの関わり。一人は、片道四十分もかかるところから転園して二年間森へ通ってくれた二人でした。

二人の出会いからの写真をまとめながら、一つ一つを振り返ります。一人一人を想う時間というものは、子どもにかかわる仕事をしている者にとって、とても大切なものです。

厚みのあって、どっしりとした手。土ふまずがしっかりとして、力強い足。いろんなものをさわり、作り、毎にと森を歩いた二人の手と足は、私たちの誇りです。森で育ってくれてありがとう。

たくさんのありがとうを伝えあう時間。この日を迎えるたびに、これまで支えてくれた人たちを思い出します。

私たち森のようちえん「てくてく」には、歌があります。初代の子どもたち五人はそれぞれ太陽の子、花の子、風の子、炎の子、大地の子で、五人を歌ったものです。毎年、この五人を想い、そして卒園していく子どもたちを一人ずつ思い出すことでしょう。

春から、五年目を迎えます。雪が解け、森はカタクリでいっぱいになります。その森へ新しく七人の仲間を迎えます。はじまりの会の日には、いつもわたしの“はじまり”をつくってくれたデンマークの森のようちえんの先生たちを思い出します。原点を思い出して、また新しい時間を大事に大事に紡いでいくスタートです。

こうして春は、森のようちえん「てくてく」をさせてくれた人たちにたくさんたくさん「ありがとう」を想います。
森のようちえんの仲間がふえています。いろんな“はじまり”や“ありがとう”がたくさんあるでしょう。春に想うこと、大事にしてまた一年森を楽しみましょう!!

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日本の「森のようちえん」

Posted on 2/17/2010 at 2:10:04 PM

沼倉 幸子

日本の幼児教育の父と呼ばれる倉橋惣三先生の著書「育ての心」(註1)の序章に、『自ら育つものを育たせようとする心、それが育ての心である。世にこんな楽しい心があろうか。それは明るい世界である。温かい世界である。育つものと育てるものとが、互いの結びつきに於いて相楽しんでいる心である。』と書かれています。この文章を読むとき、私の中に一人の女性の姿が想い浮かびます。それ福永雪子先生です。ご存知の方も多いと思いますが、福永先生は1983年から「幼児グループ つくしんぼ」を始め、現在もお元気に活躍されています。

福永先生とつくしんぼの子どもたちに初めて会った日は、手袋が欲しくなるような冬の寒い日でした。朝の公園には元気な子どもたちが、次々に集まってきます。保育の邪魔にならないよう気をつけて見学していたのですが、拍子抜けするほど子どもたちは見知らぬ見学者の存在が気にならない様子。誰もが朝の公園での遊びに夢中です。砂場、縄跳び、ボール蹴り、竹馬。そしてその遊んでいる姿の中に、今日は一日誰と一緒に遊ぼうかとか、誰と一緒にお弁当食べようか、などという子どもたちの心が見え隠れしています。
その日は卒会生のたくさんいる小学校を経由し、自然がたっぷり残っている公園へ移動しました。公園内は整地されていない豊かな自然が多く残されていて、蔦のブランコや、木登り、沢ガニ探しや、崖登りなど、それぞれが今この時間の遊びを精一杯楽しんでいます。そしてどの子も生き生きとして、その顔には充実した表情がうかんでいます。

子どもたちにフックと呼ばれている福永先生は、時には優しく歌い、時には寄り添い、冒険する子どもの心を支え、よく笑いよく動きます。そんな福永先生とつくしんぼの子どもたちは、とても深い絆で結ばれているように見えました。ご自身の著書「泥んこで風とあそび街を歩く」(註2)には、『動き出す「時」は、その人自身が決めなければならない。本人が自分自身の葛藤をのりこえることこそ、その人の生きる力になる。』とあります。この子どもたちとの信頼関係は、一人一人が動き出す「時」を見守り、動き出した自発性の芽を育むことの積み重ねの上にあるのではないでしょうか。

大正時代に橋詰良一が“家がなくても幼稚園はできます。”と言って実践した「家なき幼稚園」がありますが、26年前から現在に至るまで園舎を持たず保育を行っている「つくしんぼ」は、日本的性格を持つ「森のようちえん」の草分け的存在ではないかと思います。そして改めて思うのは、「森のようちえん」は新しい保育スタイルではなく、その昔エラ・フラタウがデンマークの森で保育を始めたように、日本にも身近な自然の中で保育を行ってきた事実があるということです。
日本においても「森のようちえん」という保育スタイルが、ドイツ・北欧の森の幼稚園のように、ごく一般的な保育スタイルの一つとなることを私は願います。

子どもたちとの結びつきのなかで、日々保育を楽しんでいらっしゃる福永先生を、2010年度「森のようちえん全国交流フォーラム」分科会にお招きする予定で準備をしています。どうぞお楽しみに。

<引用文献>
(註1)倉橋惣三文庫(3)「育ての心(上)」倉橋惣三著 津森真・森上史朗編 フレーベル館
(註2)屋根のない「つくしんぼ」保育の日々「泥んこで風とあそび街を歩く」福永雪子著 教育史料出版会

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幼児教育にちょっとした変化が!

Posted on 1/20/2010 at 9:21:01 AM

NPO法人 自然体験活動推進協議会 太田原 康志
◆幼児教育が熱い!
 今、幼児教育が熱い!でも『お受験』ではありません。『お受験』を目指した幼児教育は、ひと昔前にはテレビのドラマでも話題になったことがありました。でも“熱い”のは『お受験』ではなく、自然体験を通じた幼児教育『森のようちえん』です。この『森のようちえん』に関心を示す人たちがどんどん増えているようです。今年度で5回目となった森のようちえん全国フォーラムですが、毎年のように定員いっぱいです。

こういったことを、先日、『森のようちえん』のことなど全く知らない、近所のお父さんやお母さんたちと話をしてました。そこで聞かれたのが、自然体験は幼児期の子どもにとって“良い”というのはわかるような気がするけど、「そもそも、どうして幼児期に自然体験なのか?」「活動中のケガや事故など、安全への対策はどうしてるの?」という疑問がでてきました。

このリレーエッセイを読んでいただいている方は、多少の差はあるにしても『森のようちえん』や『幼児期の子どもと自然体験』に関わっている、もしくは、関心のある人たちにとっては「今さら、そんなこと・・・」と言われそうなのですが、ちょっとだけこれらの疑問について、お話しできればと思います。

◆そもそも、なぜ幼児期に自然体験なの?
NPO法人自然体験活動推進協議会(CONE)でまとめた報告書(参考文献を参照)によると、自然体験活動を通じて以下4つの効果が幼児の発達を促すと期待されているそうです。
(1) 五感を用いて直接体験する。⇒ 感情や思考の土壌を作る。
五感を用いて自分の体で反応するという感覚運動的な体験をすることで、自然環境との相互作用を実感することができ、この実感の積み重ねが感情や思考の土壌を作ります。
(2) 試行錯誤する。⇒ 自発性を育てる。
自然は、「こうすればこうなる、ということがわからない」、「どうなるか、やってみないとわからない」。だからこそ、自分のすべての力を使って、色々と試しながら自然とつきあっていくことで、自分のことは自分で決めるという自発性を育むことができます。
(3) 達成感を味わう。⇒ 自信をもつ。
試行錯誤を繰り返し、自分の力でやり遂げることによって達成感を味わい、有能感や自尊心を育むことで、自信をもつことができるようになります。
(4) 周りとのつながりを実感する。⇒ 信頼感や安心感を生みだす。
自然環境やいろんな人との相互作用を体験することで、自分と周りとのつながりを実感し、周りとの関係を認識して満たされることで信頼感や安心感を生みだすことになります。

自然の中ではこのようなことが期待できます。でも逆に、自然の中で行う活動であっても、このようなことが期待できないようなものは、自然体験の良さは十分に発揮できていない、ということにもなりそうです。

◆活動中のケガや事故など、安全への対策はどうしてるの?
森のようちえんなどでどんな安全対策や管理がされているのか、全国の状況についてはまだわからないところがありますが、自然の中で安全に体験活動をするための安全対策や管理は「ここまでやったら大丈夫」というものはありません。応急手当や連絡体制など基本的なことは活動を進めていく上でおさえておく必要があります。CONEでは、次の基本的な3つのポイントを押さえておくことを推奨しています。
①安全管理マニュアルをつくる。
事故が起こらないように、そして、事故が起こった時の対応方法、その後のフォローなどを整理して、文章化しておくということです。
②このマニュアルにそったスタッフトレーニングをする。
マニュアルを作っただけではだめですね。応急手当、心肺蘇生法などの実技から事故発生時の連絡・対応方法など、日ごろから実際にトレーニングしておくことが大切です。
③保険に加入する。
保険というと傷害保険を思い浮かべますが、活動を実施する主催者側としては損害賠償保険についても加入しておく必要があります。また、保険に加入すればいいというものではなく、保険の内容もしっかりと把握しておかないと、いざという時に保険が使えると思っていたものが、実は保険が使えなかった、ということにもなりかねません。
(例えば、くつずれや熱中症、場合によっては蚊などによる虫さされには通常の傷害保険は対象になっていません。)

【参考文献】
平成19年度 文部科学省委託事業「幼少期における自然体験活動を推進するための指導者育成に関する普及啓発事業」報告書

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夢のような1年♪

Posted on 12/27/2009 at 4:12:58 PM

自然育児 森のわらべ多治見園 園長・浅井智子

-夢を描いて-
次男坊を愛知県春日井市の森のようちえんで4年半育ててきた。
保育スタッフをしながら立ち上げに関わり、いつか地元の岐阜県多治見市で、開園できたらという夢を抱いていた。
そんな、夢を大きく後押ししてくれたのが、1年前、長野で開催された『森のようちえん全国交流フォーラムin長野』だった。フォーラムでたくさんのエネルギーを充電し、翌年・2009年の6月の開園に向けての準備をスタートした。
-夢の実現-
次男坊が入学して落ち着いた頃ということで、開園を6月に決めた。
そして開園と同時にまさかの入園希望者も現れ、スタッフも充実しての開園式を迎えた。それから 毎月入園者が増えて現在4名のようちえん児が、日々多治見の森で駆け回っている。
森のわらべを開園してから、いっそう涙もろくなった。子どもたちとの日々の暮らしの中で、その姿がいとおしく、自ら育っていこうとする力に感激してしまうことが多々ある。そんな瞬間に立ち会い、自然がもたらしてくれる恵みの多さに感謝しながら保育できることは幸せすぎて申し訳ないくらいと感じている。-これからの夢-
森のわらべでは未就園の親子参加の親子組(月5回活動)と、毎日の森のようちえんの活動を行なっているが、『信じて待つ』の基本理念のもとに、子どもも大人も育ちあう温かい場所創りを目指している。
お蔭様でたくさんの仲間たちが集い、次男坊が森のようちえんに通い始めた頃を思うと、日本での森のようちえんに対する認識も深まりつつあると感じる。
地元・多治見で森のようちえんを開園するという夢は実現できた。もちろん、維持・成長していくための努力は欠かせないが、『日本中に森のようちえんを増やす』という夢はまだまだこれからだ。
森のわらべで研修を兼ねてスタッフをしてきた仲間が、来春岐阜県恵那市で『ひなたぼっこ ようちえん』を開園をする。ほかにも愛知県豊田市では友人が『とよた森のこども園』を開園する。
このように全国に開園を夢見て頑張っている仲間たちがいる。
これまでの森のわらべのわずかながらの経験が役に立つのであれば、彼らへのお手伝いをできるだけしていきたいと考えている。
森のようちえんが増えれば、生きていく真の力を育くむのがあまり得意でない日本の公教育制度を変えていく力になると真剣に思っている。
森のようちえんにはそれぐらい深い可能性と、子どもと大人の確かな育ちが見えてくるものがある。
森のようちえんに出逢えて、本当に良かった・・・。

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森のようちえん全国交流フォーラムin愛知

Posted on 12/7/2009 at 4:00:32 PM

くりこま高原自然学校 佐々木豊志

ほぼ日本の真ん中にある愛知県岡崎市にある愛知県青年の家に、全国から北は北海道、南は九州長崎・熊本から沢山の方々が集まりました。11月28日(土)・29日(日)の両日、「森のようちえん全国交流フォーラムin 岡崎」が開催され、300名を超える参加者の熱気に包まれました。事務局談によると、早くから申込者が殺到し多くの方々を受け切れずキャンセル待ちやお断りしなければならないほどで、その方々を含めると400名は越えていたと、この会への関心の高さを改めて感じてきました。
今回のフォーラムの大きな特徴は、開催実行委員の主要なメンバーが、自主保育に関わっているお母さん達だったと言うことです。毎日の保育活動を抱えながらも、開催の準備と当日の運営に力を発揮したことと、そのお母さん達のバックアップにたくさんのボランティアがつながってくれたこと、そして事務局業務を引き受けていただいた中京女子大学の時安先生など、このフォーラムを通じてこの地域での新しいつながりが生まれたことや、これまでのつながりが強く深まったことが大きな成果だったと思います。
今回の実行委員長を引き受けてくれた森のたんけん隊の小林直美さんか、開会式の挨拶で、全国からの参加者へ「このフォーラムに参加して、お土産を持って帰ってほしい」と語られ、歌で始まり暖かい雰囲気で2日の交流が始まりました。
開会直後は、団体リレートーク。自然体験を子育て、幼児教育に取り入れて活躍している全国の団体から11団体が次々に取り組みを聞き、初日の午後は、外での焚き火のワークショップや多彩なゲスト・講師を迎えての分科会が展開されました。夜はこのフォーラムの大きなテーマでもある交流会でさらに熱く、深い語らいが深夜まで続きました。
2日目もテーマ別の多彩な分科会・ワークショップで情報交流が深め、午後は、2005年に愛知県で開催された「愛・地球博」の森の自然学校・里の自然学校の統括プロデューサーを務めた、財団法人キープ協会の川島直氏の講演があり「なぜ、子ども達に自然体験が大事なのだろうか?」という問いを参加者全員で考えることができました。
くりこま高原を初回に5年つながって、回を重ねることで、多くの経験が積み重ねられた方や、新たに森のようちえんを始めた方、これからはじめようと考えている方が集うことで、今回のテーマ「小さな一歩から未来へつながれ!森のようちえん」にあるように、未来へつながる様々な可能性を感じた2日間でした。
歌で始まり、閉会式もみんなで歌いました。暖かい気持ちのまま栗駒に戻ってきました。今朝、実行委員長の小林さんから、運営委員のMLに御礼のメールを拝見しました。「みなさんのいろいろなつながりのおかげで助けられ、また新しいつながりが生まれました。 新たにつながってわたしにとっての一番のおみやげは愛知の仲間が今回のフォーラムを通して手と手をつないで励ましあいながら大きな山をいっしょに乗り越えられたことです。参加者といっしょに歌を歌っているとき、みんなの気持ちがひとつになったのを感じました。」
今回のフォーラムでも森のようちえんというキーワードで全国の方々が交流し共に成長し、次代を担う子どもたちの未来のためにより良い活動の場を提供するためのつながりというこのネットワークの意義を再認識する頃が出来ました。
実は、私は「森のようちえん交流フォーラム」の一週間後に「青少年自立支援者のための研究交流フォーラム」に参加してきました。なんらかの課題を持ち社会に関わることが困難な青少年を支援する人たちの研究交流のネットワークです。この中でも、幼少年の発育発達の過程における体験の重要性が揚げられていました。
私自身、この2週間で、自然体験と子育て・幼児教育を考えるという「森のようちえん」の私たちの活動がますます重要な役割を担っていると実感してきました。

今日はくりこま高原にも寒波が来ています。私が大好きな雪の季節です。一年ぶりの楽しい冬の季節を子どもたちとともに味わいましょう。

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