幼児教育にちょっとした変化が!
Posted on 1/20/2010 at 9:21:01 AM
◆幼児教育が熱い!
今、幼児教育が熱い!でも『お受験』ではありません。『お受験』を目指した幼児教育は、ひと昔前にはテレビのドラマでも話題になったことがありました。でも“熱い”のは『お受験』ではなく、自然体験を通じた幼児教育『森のようちえん』です。この『森のようちえん』に関心を示す人たちがどんどん増えているようです。今年度で5回目となった森のようちえん全国フォーラムですが、毎年のように定員いっぱいです。
こういったことを、先日、『森のようちえん』のことなど全く知らない、近所のお父さんやお母さんたちと話をしてました。そこで聞かれたのが、自然体験は幼児期の子どもにとって“良い”というのはわかるような気がするけど、「そもそも、どうして幼児期に自然体験なのか?」「活動中のケガや事故など、安全への対策はどうしてるの?」という疑問がでてきました。
このリレーエッセイを読んでいただいている方は、多少の差はあるにしても『森のようちえん』や『幼児期の子どもと自然体験』に関わっている、もしくは、関心のある人たちにとっては「今さら、そんなこと・・・」と言われそうなのですが、ちょっとだけこれらの疑問について、お話しできればと思います。
◆そもそも、なぜ幼児期に自然体験なの?
NPO法人自然体験活動推進協議会(CONE)でまとめた報告書(参考文献を参照)によると、自然体験活動を通じて以下4つの効果が幼児の発達を促すと期待されているそうです。
(1) 五感を用いて直接体験する。⇒ 感情や思考の土壌を作る。
五感を用いて自分の体で反応するという感覚運動的な体験をすることで、自然環境との相互作用を実感することができ、この実感の積み重ねが感情や思考の土壌を作ります。
(2) 試行錯誤する。⇒ 自発性を育てる。
自然は、「こうすればこうなる、ということがわからない」、「どうなるか、やってみないとわからない」。だからこそ、自分のすべての力を使って、色々と試しながら自然とつきあっていくことで、自分のことは自分で決めるという自発性を育むことができます。
(3) 達成感を味わう。⇒ 自信をもつ。
試行錯誤を繰り返し、自分の力でやり遂げることによって達成感を味わい、有能感や自尊心を育むことで、自信をもつことができるようになります。
(4) 周りとのつながりを実感する。⇒ 信頼感や安心感を生みだす。
自然環境やいろんな人との相互作用を体験することで、自分と周りとのつながりを実感し、周りとの関係を認識して満たされることで信頼感や安心感を生みだすことになります。
自然の中ではこのようなことが期待できます。でも逆に、自然の中で行う活動であっても、このようなことが期待できないようなものは、自然体験の良さは十分に発揮できていない、ということにもなりそうです。
◆活動中のケガや事故など、安全への対策はどうしてるの?
森のようちえんなどでどんな安全対策や管理がされているのか、全国の状況についてはまだわからないところがありますが、自然の中で安全に体験活動をするための安全対策や管理は「ここまでやったら大丈夫」というものはありません。応急手当や連絡体制など基本的なことは活動を進めていく上でおさえておく必要があります。CONEでは、次の基本的な3つのポイントを押さえておくことを推奨しています。
①安全管理マニュアルをつくる。
事故が起こらないように、そして、事故が起こった時の対応方法、その後のフォローなどを整理して、文章化しておくということです。
②このマニュアルにそったスタッフトレーニングをする。
マニュアルを作っただけではだめですね。応急手当、心肺蘇生法などの実技から事故発生時の連絡・対応方法など、日ごろから実際にトレーニングしておくことが大切です。
③保険に加入する。
保険というと傷害保険を思い浮かべますが、活動を実施する主催者側としては損害賠償保険についても加入しておく必要があります。また、保険に加入すればいいというものではなく、保険の内容もしっかりと把握しておかないと、いざという時に保険が使えると思っていたものが、実は保険が使えなかった、ということにもなりかねません。
(例えば、くつずれや熱中症、場合によっては蚊などによる虫さされには通常の傷害保険は対象になっていません。)
【参考文献】
平成19年度 文部科学省委託事業「幼少期における自然体験活動を推進するための指導者育成に関する普及啓発事業」報告書
森のようちえんブログ